今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成20年版 1日

人の幸福を願う気持ちが自分の
人生を豊かにしていく

「豊か」とはみちたりて不足がない様子を言いますが、「人生の豊かさ」と言うときには、物だけではない、目に見えない精神的なものを含めて考えなければなりません。
 例えば大きな家でぜいたくな暮らしを一人でするのと、小さな粗末な家で貧しい暮らしを大勢の仲間と過ごすのと、どちらが「豊かな人生」かと尋ねられたとき、後者を選ぶ人が多いのではないでしょうか。
 今日明日の快適さだけを考えれば、物や金に満たされて、自分の思い通りに事が運ぶ暮らしを願うでしょうが、人生を実りある豊かなものにしようと思うとき、他人との関わりを欠かすことはできないのです。
 人間は一人で生きているのではなく、多くの人の支えを受けています。だから、支えてくれている人


を大切にすることは、自分を大切にすることになります。
 そうと知っていても、人間は自分中心の気持ちに偏ることがしばしばです。
 自分の都合や欲得にとらわれて、周りの人を疎かにして、迷惑を掛けたり対立したり…。
 それでぎすぎすした味気のない心に成り果てて、時には殺伐とした毎日を自分の周りに作ってしまうこともあります。
 豊かな人生に欠かせないもの、それは自分の周りにいる多くの人たちです。
 あの人も、この人も、世の中を支え、自分を支えてくれている大事な人たちだと気が付かなければなりません。
 周りの人のことを自分のことと思い、幸福を願う気持ちでいることは、周辺に花の種を蒔くようなものです。人の幸福を願うことは、すぐには結果は出なくても、やがて花が咲き実を結び、人と分かち合える本当の豊かさを味わうことになるでしょう。




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