今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成20年版 3日

言われて嫌だと思うことほど
自分にとって大事なことである

 職場で上司や同僚から注意や忠告をされて「イヤだなあ」と思ってしまうことがあります。そんなときは言われたことを素直に聞いておらず、せっかくの注意や忠告の意味をきちんと理解できていないものです。
 人間は、自分の周りのことは見えますが、生きて活動している自分の姿を見ることはできません。だからおかしなことを言ったり、したりしていても、それに自分で気が付くことはほとんどの場合できないのです。
 そういう自分を見るには他人の目を通すしかない、というのが現実です。
 自分の至らないところや、おかしな所は、周りの人に教えてもらうしかありません。
 でも他人は、普通はそんなことをわざわざ教えてはくれません。


 よほど目に余るから、おかしな所や不都合なところを言ってくれるのですから、その言葉が耳に心地よいわけがありません。
 耳に痛い言葉、不快になるような厳しい指摘、聞きたくないと思うような注意や忠告、それらはすべて「自分にとって大事なこと」なのです。
 言われて「嫌だなあ」と思うことは、実は自分にとって大事なことを言ってもらっているのである、と気が付けたらいいと思います。
 時間がたってから、あるいは日数を経てから「あの時、あんなことを言われたけれど、なるほどその通りだなぁ」と、認めることができたとき、あの嫌な言葉が心にしみる言葉になっています。
 そんな風に気持ちが変わったのは苦言を糧にしようと努めてきた結果、自分が大事にするべきことは何かということを真剣に考え、素直で前向きな生き方ができるようになってきたということかもしれません。




〒545-0043 大阪市阿倍野区松虫通1丁目2-27
サイトマップ
Copyright ©shizensha All Rights Reserved. 無断転載禁止