今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成20年版15日

歴史や伝統を大切にする心が
国を強固にする基盤となる

 私たち日本人は日本のすばらしいところをどれほど知っているでしょう。
 自分自身のことは自分が一番分かっていないのと同じように、自分の国のことを、案外知らないのではないでしょうか。
 戦後生まれの世代は、歴史から何を学ぶべきかという記述が希薄な教科書でならったため、明治以降の日本のことをよく知らなかった。しかし、司馬遼太郎の小説などによって、その骨格も血肉の付いた中身も理解することができた、と言う人があります。
 これによって日本の国が近代国家に脱皮してくる中でやってきた、良いところも悪いところも知って、日本をこういう国にしていきたいと、志を立てた人もあります。
 歴史に学ぶとは、だれが、どんな心でその時代を


生き、何をしようとしたかを理解することだと言われます。
 国の歴史も、会社や集団や組織の歴史や伝統も、そのときその時を生き、自分の責務に尽くした人々の価値観の集積です。
 この集積の中に、自分は今、何を大事にするべきかを悟らせてくれるものがあります。
 組織や集団を構成する一人ひとりが、自分は今、何を大切にしたらよいのかを知ることは、その組織を強固にします。
 父母や祖父母の薫陶によって今の自分があるように、日本の国は代々の人が先人の事跡や生き方の中から、大切にすべきこと、守るべきことを学んできました。
 国の歴史や、組織や集団の伝統を正しく学んで、今尽くすべきことは何か、どの方向を目指すべきか、そしてどのように行うべきかを、しっかり弁えていきましょう。
 それが未来を明るく切り開いていくことにつながると思うのです。





〒545-0043 大阪市阿倍野区松虫通1丁目2-27
サイトマップ
Copyright ©shizensha All Rights Reserved. 無断転載禁止