今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成20年版16日

利害を離れて客観すれば物事
の判断が正確にできる

 人が物事を判断する時の基準は色々ありますが、自分にとって損か得かを計算して判断する場合が多々あります。
 人間というものは目先の利害には敏感で、得をしたい、楽をしたい、自分に有利なようにと考えてしまうのです。
 しかし、「こちらが得だ」という思いから判断したことが正しいかというと、必ずしもそうではないようです。
       ◎
 交通渋滞は、工事中など道路の状況がその原因の場合もありますが、他の車を割り込ませないようにと意地を張って流れを悪くしていることが原因の場合もあります。
 自分の前に割り込まれたら損をしたと感じますが、車の流れからすると入れてやった方がスムーズで


、自分にとっても全体にとっても良いと分かっていても、そうは思えなくて、渋滞に拍車を掛けてしまうのです。
       ◎
 物事を正確に判断するには、損得を離れ、客観的で広い視野をもつ必要があります。
 物事を客観的に見るには、得をしたい、楽をしたい、早くしたいといった、自分が持っている様々な欲心に気付くことが肝要です。
 これらは、いつもは心の片隅に隠れている「自分の思う通りにしたい」という身勝手な我が侭から出てきた思いです。そんなものに惑わされてはなりません。
 でも、これは欲心だと気付いていないと、自分を迷わす欲から離れることはできません。
 自分はこんな欲を持っていると気が付いたら、その欲心(利害を離れられない思い)から離れられます。こうして小欲を捨てたら、自分の本当の働き(正しい判断に基づいた行動)を出していけるのです。





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