今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成20年版18日

相手の立場で考えてみると見落
としていたものが見えてくる

「相手の立場に立って考えてみよ」と叱られることが時たまあります。一生懸命やったときにこういう叱られ方をすることが多いように思います。
 精一杯努力して良い結果を出そうとしたのに、その思いとは裏腹に思わしくない結果となって、しょげている時に大目玉を食らうと、「そんなに悪いことをしたのだろうか」と、ますます意気消沈してしまいます。
 良いアイデアを思いついて「よしこれだ」と思ってやった場合、以前よりうまくいったのに反発を受けることがしばしばあります。
 これまでのやり方にたとえ不備なところがあったとしても、周りの人はそのやり方を是とし、それに慣れていたわけですから、新しく効率的なやり方で以前より良い結果となっても、ひどい言い方をすると「人の気持ちを踏みにじった」ことになるのです



 相手の立場になって考えてみる心のゆとりがないと、こうした失敗は防げません。
 心のゆとりは、だれのために、何のためにするのかという目的がしっかり把握できてはじめて持つことができます。
 人を出し抜くような気持ちや手柄を誇りたい欲があると周りは見えません。相手の立場で考えるには「人のために」という目的観をはっきりさせることです。
 それにはまず人とフランクに話ができるようになりましょう。自分の考えに凝り固まっている時はどこか功利的になっているものです。そんな思いでは人と同じ平面に立って、同じ視線で話すことはできません。
 欲にとらわれている時は普通なら見えるものも見えなくなっています。人と仲良くできる穏やかな心に立ち返れば、うっかり見落としたものも見えてくるのです。




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