今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成20年版23日

苦手と思う相手こそ自分を成長
させてくれる大切な人である

 AさんはBさんが苦手でどうしてもうまく付き合えませんでした。
 Bさんは自分の都合を優先させ、一方的に自分の主張をし、こちらの話を聞こうとしません。そんなBさんを許せないと思い、同席するのもイヤでしたが我慢していました。
 ある時AさんはBさんを知る人に、Bさんの行動をどう思うか尋ねると、そんなに気にならないという答えが返ってきました。
 そればかりかAさんとBさんはよく似ていると言われました。
 冷静に振り返ると、確かに自分も主張を通す方だし、思う通りにならないときは、Aさんのように口に出すことはありませんが、不満を抱えてしまいます。
 似ていると言われたのは、自分では我慢してきち


んと表面をつくろっているつもりだったのに、周りには、不満を思っていることも、こらえていることも、それをごまかしていることも分かっているのかもしれません。
 Bさんを不足に思うのは、自分の思う通りにならない相手であると同時に、自分が無意識のうちに求めている言動を簡単にやってのけるAさんの野放図さを、憎く思いうらやましく思う気持ちがあるからだと思いました。
 そして、Bさんは不満をあっさり表現するから分かりやすいのだと思い至りました。
 苦手と思う人や嫌っている相手の言動は、自分の欠点や弱点に触れている場合が多いのではないでしょうか。
 気に障る行動やイヤな言葉を素直に見つめることができたとき、自分の「成長点」を発見することができます。
 苦手と思う人は、自分の正味を見つめ、新たな可能性を発掘するため、貴重な資料を提供してくれる人なのです。





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