今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成19年版 9日

 我が儘が通るということは決して
 幸せなことではないと知ろう

 何でも自分の思う通りになることは「幸せ」でしょうか。目先のことだけを考えたらそう思うかもしれません。しかし人間は自分だけで生きているのではなく、周りと共に生かされ生きているのです。
       ◎
 漫画「ドラえもん」の主人公のび太がいじめられて、ドラえもんに泣きつきます。ドラえもんが出したのは、気に入らない相手を消去できる「独裁者スイッチ」。
 のび太は最初にいじめっ子のジャイアンを消します。すると、のび太以外ジャイアンのことをだれも覚えていない世界になります。その恐ろしさにのび太はもう使わないでおこうと思いますが、今度はスネ夫にいじめられ、先生に怒られ、両親にも怒られて次々とスイッチを使います。
 たしなめたドラえもんも消し「世の中すべて消え


てしまえ!」とスイッチを…。すべての人が消えた世界でのび太は思う通りにしますが、楽しかったことも虚しくなり、自分はなんて我が儘だったかと反省します。
 最後に皆が戻って元の世界に戻り、独裁者スイッチは我がまま者を反省させる道具だったという結末になります。
 思い通りにならないことを、我慢したり辛抱することによって人を思いやる心が育ちます。それが回り回って自分の幸せになるのです。
 自分の思いが通らず辛い思いや苦労をすることによって、人は人間的な成長を遂げ、周りの人と心から協調して生きる道を見つけます。それでこそ揺るぎない幸せを築くことができるのです。幸せは多くの人と共にあって分かち合うものです。それでこそ住みやすい幸福な世界になっていくのです。




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