今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成19年版12日

 聞くときは聞く立場に徹しなけ
 れば相手の真意は分からない

 相手の真意を分かりたければ「聞く」しかありません。しかし、形の上だけで聞いていたのでは、相手の真意は分かりません。
 聞きながら反論することを考えたり、この人はいつもこういうことを言うと決めつけていたのでは、なおさらです。それではこちらの言うことも、聞いてもらえないことになり、結局お互いが自分の意見を主張するだけで終わってしまいます。
 聞くときは、本当に言いたいことは何だろうと、心を傾けて聞く(聴く)立場に徹することです。
「徹する」とは心の中身が聞く姿勢になりきるということです。心の奥底にあるものを汲み取ろうという姿勢で聞けば、相手は安心して素直に話すことができます。
 子供の話や、上司など目上の人の話を聞くときは、自分の考えをおいて真っ白な気持ちで聞くことで


す。心の中身が聴く姿勢になりきってはじめて、十分理解し、受け入れることができるのです。
 現代の世の中は、自分の思っていることはすべて正しい、とする自己中心的な考えが横行して、自分と違う考えや立場の人の言うことを聞くゆとりをなくして、ぎすぎすしています。
「聞く」ことを忘れ「言う」人ばかりの中にあって、聞く立場に徹するというゆとりをたたえた人は貴重な存在です。
 人の話をよく聞いて、相手の気持ちや考えを分かろうと努める人の話はみんなが聞き入れるため、そういう人はみんなを一つにまとめる中心になっていくことでしょう。




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