今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成19年版24日

 金や物に執着を持つほど
 心の自由は失われていく

 地震が起きたら倒れる建物を設計・建築・販売したり、不正な方法で株の取引をしたりと、金儲けのためにはなんでもやり、人の暮らしも人の命さえも軽視するという恐ろしい事態になっています。
 これは金や物に執着し、金を儲けることが人生の目的であると錯覚しているということです。しかし、手段を選ばず、なりふり構わず欲しいものを漁り、金の亡者に成り果てている自分のみにくさに、本人は全く気付いていないように見えます。
 お金や物に執着を強くしているときは、それ以外の価値が分からなくなっているのかもしれません。
 人や世の中の有り難さや、他に尽くす喜びを感じるのは、とらわれのない心で物事を見ているからこそです。そんなふつうの幸せが味わえなくなっても平気なほど、お金や物に執着するのは、心の自由も


平安も捨てているということかもしれません。
       ◎
 あれが欲しいこれが欲しいという思いは、人間みんなが持っています。お金は欲しいものを手っ取り早く獲得するため「万能」とも思える働きをしますが、そんな魅力があるせいか、お金を欲しがり、お金に執着してしまうこともあります。
 執着とは、あることに強く心がとらわれて離れないことを言います。お金や物に執着することは、精神のバランスを欠くということなのです。
「ジャガイモ一袋も受け取らない」と言って、メダルや賞金どころか名声まで拒絶して、心の自由を尊んだ人があります。そこまでいかなくても、心の自由について、時には考えてみたいと思います。




〒545-0043 大阪市阿倍野区松虫通1丁目2-27
サイトマップ
Copyright ©shizensha All Rights Reserved. 無断転載禁止