今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成19年版27日

 物を大切にすることは自然も
 自分も大切にすることになる

  人間は大自然の中で長い長い年月、生きてきました。そして、自然の物を利用して便利なものを作り、豊かな暮らしを手に入れてきました。
 科学技術や産業や私たちの生活の現状は大自然を支配しているかのように見えますが、人間は「自然の恵み」を生み出したわけではなく、たゆまぬ努力と工夫によって使い勝手のいいようにしただけです。
 あらゆる物は自然から恵まれたものであり、人智で計り知れない偉大な自然のはたらきによって支えられ、生きている私たちなのですから、自然の恵みを「頂く」という謙虚な姿勢を忘れたくないものです。
 恵みを感じるところから物を大切にする生き方が生まれます。大切にすることで物は生きて働き、自然も豊かさを損なわずに恵みを与え続けてくれるで


しょう。
 結局、物を大切にすることは自分を大切にすることになるのです。
 物を恵みと受け止めず、自分の所有物で、どう扱ってもいいし、どうにでもなるものだと考えたら、知らず知らずのうちに粗末に扱うことになるに違いありません。
 粗末にしていると、物が早く傷むことになり、その物の持ち味を生かすことはできないでしょう。これを地球規模で言えば、自然を破壊して人間が自ら苦しみを招くことになっていきます。
 このような目に見える災いがなくても、物を粗末にしていたのでは、人の心が殺伐として、豊かな暮らしを自分の手で閉じることになっていきます。
「物を大切にする」という姿勢は、豊かな恵みを頂く生き方であり、また豊かな心を育む生き方でもあるのです。




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