今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成16年版 3日

いつでもできるという思いは今
 という時間も機会も失わせる


「こんなことはいつでもできる」と思って、仕事や用事をほったらかしにすることがあります。そんなときは、その気になればすぐにできると無意識のうちに思っているものです。「自分がその気にさえなれば…」と。
 なるほど自分の能力をもってすればすぐに片付けられる事かもしれませんが、後回しにしたことはなかなか「その気」にはなりにくいようで、後で思い出しても、またその時も、いつでもできる、という思いになってしまうことが多いようです。
「ライオンはウサギを捕る時も全力を傾ける」と、仕事に取り組む姿勢を戒める言葉がありますが、いつでも捕らえられると思って見過ごしたら、ウサギは穴に隠れて二度とライオンの目の前に現われてこないでしょう。ウサギが目の前に現われたのは千載


一遇のチャンスだったかもしれないのに、千年に一度しかあり得ないチャンスを見逃していたのでは、全力を発揮しようもありません。
 全力を傾けるということは、やるときにはそうする、というだけではなく、気が付いたその時にすぐさまやる、ということが含まれているのです。厳しい姿勢とチャンスを見極める力がなければ仕事は片付かないし、物事を成就させることもできなくなっていきます。
 物事を成功に導く人は、後でやるとか、その気になったらとか、いつでもできるとか、そんな悠長なことは言いません。「物事を軽んじる」というほど傲慢な気持ちは自分にはないつもりでも、いつでも…と思っている時は、怠けているだけでなく大変傲慢な、隙だらけの気持ちになっているのです。
 色々な用事を抱えていたり、忙しく働いている時には、いつでもできると思ってしまうような物事は起きてこないものです。物事を好き嫌いしてつい後回しにしたり、怠け心に傾いて見過ごしてはならない事を見過ごすようなときは、自分の役目や目的を


忘れて、心に緊張を欠いているときだと思います。
 絶好の機会が二度巡ってこないように、今という時間も絶対に戻ってきません。今という時間の貴重さは、どんな機会も見逃さずにとらえて努力してはじめて分かるものです。




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