今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成16年版 7日

単なる失敗はないそこに成長
 と成功への足掛かりがある


 事柄の大小はあっても、およそ世の中で、失敗したことのない人はいないと思います。
 もし人間の世界に失敗ということがなくて、何をやってもうまくいくとしたら、努力するということがなくなって、人間社会に進歩も向上も全くないことになるでしょう。
 一生懸命努力をした末に失敗をしてしまったときに、この次は何とか失敗しないように頑張ろうと更に努力を重ねることによって、持てる能力を更に伸ばし、精神力も強めることになっています。このような一人ひとりの努力の積み重ねが社会を進歩させ、世の中を発展させているわけです。
 人間は一人ひとり、人より優れた素晴らしい特性を持っている一面もありますが、反対に人より劣ったり欠けている部分もあります。それだけでなく、


うっかりしたり、あわてたりすることもあって、何かの物事をする時に、見落としや失敗をすることがあるのは、致し方のないことかもしれません。
 問題はこの失敗に対して今後どうするかということです。今犯した失敗の償いや後処理をきちんとするのは当然のこととして、この失敗が自分の今後にどのような意味があるのか、客観的に知っていこうとすることが何より大切です。
 失敗した時は、今まで知らなかった自分の短所や欠点をはっきり知るチャンスです。注意力が散漫でうっかりすることが多いとか、あわてて早合点するとか、人の言うことをよく聞かないで早のみこみするとか、人の気持ちや相手の立場をよく理解しようとしないというような、性格上の問題点も冷静に省みることが必要でしょう。
 このような自分独自の性向を、欠点や短所として嫌がるのではなく、一つの「特徴」として見たとき、失敗を成長のキッカケとすることができるのです。
 失敗を単なる失敗に終わらせるか、失敗の中から


自分が持っている問題点を発見して、人間としての向上や、成功への足掛かりとしていくかは、失敗をどんな気持ちで受け止めるかにあります。「おれはだめだ…」などと落ち込んでいる場合ではないのです。




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