今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成16年版18日

欲張る心を捨てなければいつまで
 たっても心は満たされない


 心がいつも満たされているとしたら、それは大変幸福な状態だと思いますが、そんな人はまずいないと言ってよいかもしれません。人は満たされない思いを持っているものであり、満たされないからこそ、努力したり工夫したりしているのだと思います。
 満たされない気持ちは人間の働きを伸ばす原動力となるものですが、いつまでたっても満たされない、となると話は違います。
 周りの人から見たら、仕事にも家庭にも恵まれていると思える人が、いつも不満ばかり言っているということがあります。恵まれているのになぜ不満ばかり出てくるのかというと、「ありがたい」と思える心の働きが十分でないのかもしれません。
 人間は安易なところで満足するようなことでは、


力を伸ばしたり物事を発展させたりすることができませんが、一応の成果を得たり、お金や物を手に入れたり、人との仲が円滑にいったときには「ありがたい」「うれしい」と満足できるようでなければ、心のバランスが崩れていると言うべきでしょう。
 それができないのは、「もっともっと」と欲張る気持ちに支配されている、ということではないでしょうか。
 求めても得られないと、いつしか得られないことにこだわって不満を募らせることになり、これは大きな苦しみとなります。その苦しみがさらに不満を募らせ、ますます心が満たされなくなっていくのです。
 そんな悪循環にはまりこむとなかなか抜け出せなくなって、「不平不満ばかり言っている人」になってしまいかねません。
 不満に思える事柄のすべてが、自分が保有しているものを「当たり前」と思っているところから生じています。そこで、自分が保有しているものが本当に当たり前なのか見つめ直してみれば、努力したり


才覚を働かせただけで得たのではないことが分かるはずです。
 意地を張らず「ありがたい」「うれしい」という気分を味わってみることは、さらなる前進の大きな力になります。満足することをおぼえ、感謝することを知ってこそ、自分の働きをさらに伸ばしていけるのです。




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