今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成16年版31日

苦労を嫌がっていると何でも
 ない事も苦労になってしまう


 怠けるつもりはないのですが、ちょっと面倒だと思えたり、苦手だなと思えることは「今やらなくても」とか、他の用事を思いついたりとか、どんどん後回しになっていきます。
 このような状態を「怠けている」と言うのだと分かってはいるのですが、なぜだか避けて通りたいという気持ちに傾いてしまっていました。それでどうなったかと言うと、面倒なことや苦手なことの種類や項目が増えていっただけでした。
 時間を取られそうだとか、何も自分がやらなくてもとか、面倒そうな事や難しそうな事を、言い訳をして逃れても結局はやらなければならない。おまけに心理的な負担を最初よりうんと増やしているのです。
 実際に時間を取られるかもしれないし、難しいこ


とであるかもしれません。しかし時間を取られたり難しいだけだったら、そんなに苦労はしなくてもいいのです。「苦労なことだな」という思いを抱えてしまうことの方が、実は重荷になっていくようです。
 例えば、熱が出たりセキが出たりしただけなら、苦しくはあってもまだ耐えられますが、このままどうにかなってしまうのではないか、と思い始めたらとたんに不安になってきます。病気の苦しみは、肉体に表れたことと心に影響するものとが絡み合うと、一層つらいものになっていくように、仕事や色々な用事も、それを嫌がったり結果を恐れたりすると苦労なことになってしまうようです。いや苦労に「してしまう」と言うべきでしょう。
 こうした心理的な負担を自分から作り出すことのないようにするには、素直な気持ちで手を着けること、気が付いたその時にやっておくこと、それに喜んでやるという気持ちを育てておくことだと思います。
 世の中にこれが苦労と決まったものはないという


のが真実です。「苦労」は他でもない自分が作り出していると知って、弱気や怠け心に負けないようにしていきたいものです。




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