今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成14年版 7日
いやいやする仕事は苦痛になる
進んでやる仕事は喜びになる
「やりたくないが、やらなければならない」という気持ちで仕事をすることがあります。やりたくないのにやっているのは「やりたくない」という思いより「やらなければ」という思いの方が少しでも勝っているからで、全くやる意志がないのではありません。
しかし「いやだな」という思いをもって仕事をしている時には、体は動かしていながら、心がそれにきちんと付いていっていないため、仕事をしていることが苦痛になり、いわゆるストレスがたまることになります。
「やらなくてはならない」と我慢して仕事をしている時は、思いと行動が矛盾することによって、心の集中を欠いたまま仕事をすることになります。
そのためミスやトラブルが多くなり、やりたくない気持ちが余計に募って、「やらされている」というような、喜びも何もない状態に陥ることすらあります。
しかし、やらないわけにいかない状況に置かれて、いやいや仕事をやり始めたとしても「これは自分を粗末にしている姿である。こういう情けない生き方はやめよう」と心を切り替えて、積極的に取り組むこともできます。
人間は、自分の自由意志で物事を決めていくという、天与の働きを持っており、苦しい状況にあっても「これを喜んで受け入れる」と、心を決めることはできるのです。
同じやるなら、気持ちをサッと切り替えて「やるからには進んでやろう」と、前向きに積極的に取り組んでいけば、集中力が高まって仕事が順調に進む
ようになり、仕事の中に喜びが生まれてきます。
仕事は本来世の中や人のためになることを「事に仕える」という崇高な精神でするものですが、いやいやするのでは「事に仕えさせられている」ことになってしまいます。
いやいや仕事をすることは、能率や効率が悪くなるばかりか、喜びのない気持ちで日々を過ごし、自分の人間としての尊さに疵をつけることになるのです。
私たちは気持ちを切り替えることができる意志の自由を持っているのですから、そのことにはっきり気付いて、やるからには進んで仕事に取り組んでいきたいものです。