今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成14年版24日
勇気をもって現実を直視すれば
今すべき事が明らかになる
行政や経済などの行き詰まりや沈滞を打開するため、各方面で変革を試みたり改革が進められています。
これまでの方法や慣習に手を付けたり改めたりすることは、実際上においても、精神的な面でも抵抗感が強く、多少のことには目をつぶって現状のままですませようとする場合もあるようです。
しかし、行き詰まりが起きているのは、今までのやり方では人心の変化や時代の流れに通用しなくなっているからなので、企業であっても個人であっても、新たないき方を求めていかなければなりません。
そこで、改革の第一歩は、現状をあるがままに把握することから始まります。
現状を知るということは、臭いものにふたをせず、言い訳がましい思いで物事を見ず、問題点や欠点を直視するということですから、勇気とともに、広い視野と、得手不得手など個人的な思いにとらわれたり、一方に偏したりしないで現実を見ることができる、強い精神を必要とします。
厳しい現実を見るのは辛いことです。行き詰まり沈滞しているような時はなおさらです。だから現実から目をそらしたくなることもあります。けれども、勇気をもって現実と向き合えば、行き詰まり沈滞している現実の中から、どこに欠陥があるのか、何をどう改めたらよいのか、問題を解決する要素を見つけだすことができるはずです。
難しい問題に遭遇して、それを解決したいと思わない人はありません。目をそらすのは苦しさに耐え
られず、自分にはそんな力がないと思いこんでいるからで、解決させたいという思いはあるのです。
たとえそれが微かなものであっても、その思いを素直に見つめる勇気を持ちましょう。その小さな勇気が、自分が持っている全ての能力に働きかけて、今できることはないか、自分がなすべき事は何かと探索を始めます。
目を開いて、勇気をもって自分と現実とを正面からしっかり見つめれば、見つめているうちに腹が据わってきます。
現状を打開し、改革を断行するには、厳しい現実の上に腹を据えてかかることです。