今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成14年版28日

子供に今我慢を教えなければ
子供に幸せは訪れない


 幸せについて考えるとき、異なった二つの考えがあります。今幸せかどうか、というものと、人生全体で幸せをとらえよう、というものの二つです。

 今の幸せだけを考えると、現在が楽しいようにと好きな事に取り組んだり、物事が順調に進むことを望みます。今がつまらなかったり、嫌いな物事に向き合わなければならなかったり、思い通りに事が運ばなかったりすると、不幸だと受け止めるでしょう。

 しかし、長い目で人生を眺め、一生を通しての幸福について考えたら、ものの見方は変わってきます。


 辛い事でもいつかは通らなければならないのなら、早いうちにそれを経験することが幸せだと考えるでしょう。

 子供の幸せについても親として違った考え方が生じます。親たるものは皆、子供の幸せを願っていますが、いったいどの時点の幸福を考えているのでしょうか。

 今子供が楽しみ、愉快に過ごしてくれれば、それを間近に見る親は楽しい気分になります。

 反対に子供が辛そうにしていると、自分自身が苦境に立たされているかのような気分になるものです。まだ見えない将来より、実際に見える現在のことについ心を奪われて、子供を楽にさせたくなるものです。

 あるいは、子供の我が侭に負けて、知らず知らずのうちに子供に楽ばかりさせてしまうこともあるで


しょう。

 そんなことを繰り返していたのでは、子供に忍耐心が育たず、ひ弱で我が侭な心のまま大人になって、将来、本人はもちろん周りの人にまで苦しい思いをさせることになりかねません。親として、それは大きな悔いを残すことになります。

 イヤなこと辛いことでも、必要なことなら耐えさせなければなりません。

 もちろんただ厳しければいいというものではなく、色々な喜びや楽しみも存分に味わわせつつ、本人の力量を見てチャレンジさせる必要があります。

 時に応じて、励ましたり、叱ったり、ほめたりと、心を砕いていくことは、親だからといって容易にできることではありませんが、だからこそ子供の成長が喜びとなり、何にも代え難い一大事業だと言われるのです。




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