今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成13年版 1日

時間をうまく使っている人は
 気付いたことをすぐにやっている

 私たち人間には一日に二十四時間が等しく与えられています。

 ところがこの二十四時間を実に能率的にうまく使って手早く仕事を成し遂げる人もいますが、一日中怠けるわけでもなく真面目に働いているのに一向に能率が上がらない人もあるようです。

 能率が上がらない人も仕事を怠けているのではなく、形の上では一生懸命に仕事をやっているのに、成果が上がらないのです。

 私たちが何か物事をする場合、時間は自分が最も必要であると思うことに効率的に使わなければなりません。すなわち、何に時間を使うか、しっかりとした考えを持っていなければなりません。



 何に時間を使うのかはっきり自覚していないと、苦手なことや面倒なことは、今が絶好のタイミングだと気付いたその時にやらないで、何となく後回しにして、切羽詰まってからやることになり、様々な条件が悪くなったり、揃わなくなったりして、余計な時間とエネルギーを使うことになります。

 ではなぜ気付いた時にすぐやらないで後回しにするのでしょう。それは、私たちの心の深層にある苦手意識や仕事に対する好き嫌いの感情がそうさせているのです。「今やらなければ」と気付いても、無意識にある「面倒だ」とか「できればやりたくない」という思いが「後でやればいいや」という思いになり、先延ばししてしまうのです。

 反対に時間をうまく使って効率的に仕事をしている人は、気付いたことをすぐにやっています。いわゆる取っ掛かりが早いのです。それは何事に対しても積極的に取り組もうという生き方が根底にあるか


らです。

 世の中には、手の早い人、手の遅い人がありますが、これはそれほど差のあるものではありません。それよりも気付いたことを気軽に、臆せずにすぐやるか、苦手意識や好き嫌いの感情から、先延ばしにして余計な時間を浪費しているか、の違いの方が大きいのではないでしょうか。

 自分は時間をうまく使っていないと思えるときは、このあたりの自分の心の深層を客観してみたらいかがかと思います。




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