今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成13年版19日
やり抜こうと腹を決めた時
困難を克服する力が湧いてくる
朝目が覚めた時すぐ起き上がるか、あるいはもう少し床の中に寝ているのか、怠けたくてぐずぐすしているときはなかなか起きられません。「早く起きなさい」と何度も起こされても、自分で「起きよう」と心を決めるまでは寝床を離れられないのです。
寝床を離れるというようなことでも、自分の心がはっきりその方向に向かない限り、今の状態を脱していくことはできません。まして苦手な勉強をするとか、体を鍛えるとか、苦しみや困難の伴うことは、決意を固めること自体が難しく、なかなか足を踏み出すことができません。
決意を固めるということは、そんなに難しいこと
でしょうか。例えば寝床から離れたくないという気持ちの時は、眠いという状態にありながら「まだ大丈夫」だと時間の計算をちゃっかりやっているものです。ところがその計算がぎりぎりになってくると、眠いとか眠くないに関係なく起き出します。
私たちは、いざとなったら心を決めていますし、決めることができるのです。
しかし、心を決めないでのんべんだらりと過ごしていることがいかに多いか。また心を決められないがために苦労や悩みを抱え込んでいることがどんなにあることか。
苦しい思いをするのはいやだ、難しい事はやりたくない、そんな弱気のためにやればできる事まで避けて通るようなことになったのでは、物事をやり遂げる喜びを知らないで、人生を過ごすことになってしまいます。
困難だと思って避けたり、後込みしていた事も、
心をはっきり決めてやり出すと、面白みが出てくるし、思わぬ加勢も頂けます。
やり抜こうと腹を決めた時、自分が持っている全ての力が一つに結集して、困難を喜びの源泉に変化させるのです。こうして難しい事や困難な事に真剣に取り組んでいけば、大きな喜びを生み出していけるのです。
いざとなったら腹を決めると言いますが、いざという時だと判断するのは自分です。自分に与えられている力を出し切っていこうとはっきり心を決めて、前向きに物事に取り組んでいきましょう。