今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成13年版26日

苦楽を共に生きる相手だから
 こそ感謝の言葉は必要である

 もし、人間に言葉が無ければ文明は生まれなかったかもしれません。

言葉によって情報を交換し、意思を伝え合うことで、人間は多くのものを築き上げてきました。

 特に協力関係の源は、気持ちを伝え合うことにあり、楽しい時には喜びを共有し、辛い時には励まし合う中で、強い絆を作り上げてきたのでしょう。

 しかし一方、言葉には、物事を破壊する力もあります。相手を批判し、攻撃する言葉によって、お互いに憎悪を深め、多くの不幸をもたらしてもきました。

 このように、幸も不幸も生み出す言葉の働きをよ


くわきまえて、それをうまくつかいこなすことがぜひ必要です。

 特に、苦楽を共にする夫婦の場合、言葉をどのように使っていくかで、家庭の状態が大きく変わってきます。一日の生活の中で感謝の言葉が多く交わされるのか、それとも文句を言い合うことの方が多いのか、あるいは、会話そのものがほとんど機能していないのか、時には振り返ってみたいものです。

 「長年連れ添ってきた仲なのだから、今さら感謝の言葉など言う必要は無い。こちらは有り難いと思っているのだし、あちらもそれは分かっているはずだ」などと考えているとしたら、大変な思い違いです。

 以心伝心、何も言わずとも微妙な表情や仕草だけで相手の気持ちを感じ取り、相手の求めに喜んで応じてあげられる、そんな理想の夫婦なら、ことさら言葉はいらないかもしれませんが、まず稀です。



 自分たちはまだ完璧な夫婦でないと思うなら、言葉という重要な道具をしっかり使っていきましょう。

 感謝を伝える言葉は一言の中に「あなたの働きを私は知っている」「その働きのお陰で私は色々助けられて、うれしい」「できればこれからもよろしくお願いします」という温かいメッセージが含まれています。

 それを受けた方も苦労してきた甲斐があったと、うれしい気持ちになり、これからも尽くしていきたいという意欲を新たにします。

 互いに感謝の言葉を投げかけ合って、生き生きとした夫婦になりたいものです。




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