今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成12年版12日

困難な時の努力は誰でもするが
平穏な時の努力は怠る人が多い

 「努力」とは「努めて力を出す」ことですから、気まぐれでできるものではありません。物事に対してはっきりとした問題意識を持ち、目標を定めてはじめて努力をし続けることができます。

 困難に出会った時なら、問題を目の前に突きつけらているので、はっきりと問題意識を持つことができます。だから、解決に向けて精一杯の努力をします。

 ところが平穏無事な時となると、なかなかそうはいきません。差し迫った問題が無いものですから、ついつい気持ちに緩みが生じて、努力を怠りがちになって、毎日の手慣れた務めを果たして、「事足れり」という場合が多いように思います。


 しかし、皆が皆安閑として日々を過ごしているわけではありません。事があろうと無かろうと、精一杯の努力をしている人もあります。そのような人は、自分の能力をより高め、周りからの信用も高めて、次第に働きを大きくしています。こういう生き方をしていると、万一の事態が生じた時も、日ごろからの準備が行き届いて、しっかりと乗り越えて行くことができます。

 何も起きていない時に、なぜ努力を積めるのでしょうか。また、その強い意欲はどこから湧いてくるのでしょうか。

 それは、平穏無事な中にも問題点を見いだし、目標を見定めているからだと思います。例えば、自分の能力に足らないところは無いかと厳しく点検しています。そういう日常の点検が行き届いているので、先々に不都合は起きないかと予測する力もついてきます。


 このような人は、問題が目の前にありありと浮かび上がり、まさに今直面している問題として受け止めますので、自ずから意欲が湧いてくるのです。

 今、真剣に取り組むべき問題が何も無いとしたら、それは決して褒められたことではありません。もっと自分の仕事の内容を深く探り、先々をしっかりと見据えて、努力目標を見つけ出す必要があります。

 そういう前向きな姿勢が、充実した日々と確かな将来を築いていくのです。




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