今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成12年版16日

気付いた時に実行しよう
今を逃せば遂にやれなくなる

 明石海峡大橋は自動車専用道路橋ですからふだん人が橋を通行することはできませんが、開通の十日前にこの橋を歩いて渡るイベントが催されました。この催しに参加して、強い海風に吹かれながら大橋を往復する体験をした人は、「明石海峡大橋開通」のニュースを見た時も、その後近くを通る時も、あの日の感動を思い起こされるようです。

 大橋が完成していく様子を見ていた人は大勢あり、中には一度は徒歩で海を渡ってみたいと思った人も沢山あったことでしょう。そう念願していたのに、申し込みをしようと思いつつ日が過ぎてしまって、その機会を手に入れることができなかった人もあったことでしょう。

 そのチャンスを得たある人は、案内があったその


時に申し込みました。何百分の一か何千分の一か分かりませんが、申し込みをしなければ確率はゼロです。ハガキを出すという誰にでもできる、いつでもできることも、気付いたその時にやっておかなければ、時間が過ぎていく間に、やれない事情や、忘れるという、きわめて人間的な心の働きのために、できない事、やれない事になってしまったのです。

 これに似たことが私たちの日常に、いっぱいあるのではないでしょうか。

 せっかく気付いたのに、勝手な言い訳や怠け心を出して、一番いいチャンスを自らの手で見捨ててしまって、物事が成らなくなって後悔のほぞをかんだり、人に迷惑をかけたりした経験は多くの人にあると思います。

 「せっかく気付いた」と申しましたが、実は「気付かせてもらった」のではないでしょうか。「気付かせてもらった」のだと思えば、チャンスを見過ご


したり、怠け心を出してむざむざと見送ったりすることはなくなると思うのです。

 自分の立場を全うするために、あるいは自分の働きをより高めていくために、自分を導いてくれる神様がおられて、そこから「今だよ」とシグナルが送られくる。それが「気付いた」ということだと思って、「有り難うございます」という気持ちで身軽に気軽に行動に移す。そうやってチャンスをしっかり掴み、生かしていきたいものです。




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