今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成12年版27日

今できることから始めなければ
物事は少しも前に進まない

 どんなに素晴らしい考えや計画でも、実行に移さなければ結果は得られません。また、面倒なことや苦手な事に臆して、逃げたいと思っていたり、難事に当たって逡巡ばかりしていたのでは、何時までたっても何も生み出すことはできず、解決もしません。

 時の流れは早く、もたついて取り掛かりが遅ければ、ついには実行に移す機会を逃すことにもなるでしょう。これは人間にとって、一番後悔する元を作ることになります。なぜなら過ぎ去った時間は、二度と呼び戻すことはできないからです。

 何かを実行して、あの時ああすればよかったという後悔はまだ良いのです。そこには何らかの努力はしたという慰めがあります。しかし、結局は何もし


ないで過ぎ去ってしまったという後悔は、自分自身に対して慰めようがないのです。

 たとえ後で「間違っていた」と反省することがあったとしても、今はこれが最善と思える努力をすることが、自分の人生に少しでも満足感を与え、生きている足跡を残すという意味では、大変大事なことだと思います。

 行ったことが周囲から三十点の評価しかもらえなかったとしても、行わなければ〇点なのですから、ずっとましです。

 しかし、目の前の困難や計画が大きければ大きいほど、自分の前に壁が高く立ちはだかっているように思えて、なかなか踏み出せないでいることがあるのも事実です。

 何から手を着け、どのように推進していったらよいのか分からないこともあります。やらなければと


思いつつも取り掛からずにいて、心に負担を掛け、ますます踏み出せなくなっていることもあると思います。

 そんな時は、まず今できる事とできない事とを分けて、できる事から始めていけば、目の前の最初の壁に対する抵抗感が弱まって、打開する糸口がつかめます。心の中の壁が低くなれば、できないと「思っていた事」にも容易に踏み出せるのです。こうして心の中の壁を乗り越えて、一歩を踏み出しさえすれば、負担感は格段に軽くなります。最初の一歩を勇気を出して踏み出しましょう。




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