今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成11年版 1日

 まず勇気を持って踏み出そう
 そこから明日への道が開ける

 私たちは色々と思いついたことの中で、実際に行ったことと、そのまま見過ごしたことと、どちらが多いでしょう。

 思いついたことは具体化し、気付いたことはその時に行うということより、思いついて具体化を考えたけれど実行に移さなかったとか、気付いたけれどまた今度やろうとそのままにしておいたということの方が、多いのではないでしょうか。

 思いついたり考えたりすることと、実際に動き出すということとの間には、何か大きな隔たりがあるように思います。「これをやらなくてはならない」という局面に立たされたときには、隔たりというより障害にぶつかったと思えることもあります。


 新たな物事をやり出す前は誰でもとまどいを感じますが、そこで仕方なく手を着け始めるのか、心をはっきり決めて取り組みだすのか、人によって様々あります。おそるおそる始めたが、やり始めたら案外うまくいって成果を上げているということもあるでしょうが、心構えが整わないまま始めた事は、うまくいかないことの方が多いようです。

 物事はやり方や見通しを立てることより、やり遂げようという強い意志によって整っていきます。見通しどころか、どこから着手すればよいのかということも分からないというときは、多くの場合、見通しが立たないのではなく、やりたくないという気持ちで臨んでいるようです。

 後込みしていたら何も始まらないことは誰でも知っています。けれども自分がそういう消極的な気持ちに陥っていることを、肝心のその時にはなかなか気付けるものではなく、また気付いても何かと理屈を付けて、一歩を踏み出さないでいることが多いの


です。

 その一歩を踏み出すには勇気が要ります。小さな一歩でも初めて踏み出す時は大きな勇気が要ります。勇気が要ることを知らないから言い訳して逃れる方に傾いてしまうのです。
 深呼吸して息を整え「これから踏み出します」と、自分に言い聞かせて、恐れず、高ぶらず、自然体で手を着けていきましょう。そして新たな世界を開いていきましょう。




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