今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成11年版24日
親の姿は子供に反映している
子供の姿から自分を知ろう
子供は自分のすべてを親に託し、まっ白な心に両親のすべてを受け入れながら成長し、親の思想や行いをそのまま体得しています。また、両親の愛情を受けて新たな生命に結晶した子供には、親たちの肉体の特徴だけでなく、心もそのままに受け継がれています。
このような強いつながりの親子の関係ですから、親の生き方が子供の姿に反映していないはずがありません。この標語でいう、子供に反映している親の姿とは、顔形や体つきのことではなく、生きる姿勢であり、親の心のことです。親の姿をそのまま写し出しているのが子供の言動であるということです。
ところで、人間は自分のことは自分自身が一番よ
く知っていると思っているものです。しかし、自分の心が一番分かっていないのは自分自身なのです。
私たちは自分の本心を見ているようでも、それが自分の意に反した醜い姿である場合は色々と言い訳をしたり、理屈を付けたりして、自分の都合のよいように修正した自分を本当の自分と思いたがっていることが多いのではないでしょうか。そんなことで自分の本当の姿には気付いていないのです。
欠点があるありのままの自分を、そのまま認め知っていくことは非常に難しいのですが、本当の自分の姿を知る手掛かりとして、親の生き方や心のありのままを反映している子供の姿を見ることによって、その中に写し出されている自分の心を知ることができます。
しかし、子供の姿は親の心の鏡であることを忘れて、子供の未完成な性格や失敗を責めたり、欠点を
嫌って子供の言動を直させようとすることが多いのは、自分の姿をまざまざと映し出してくれているせっかくの「鏡」を、それと知らず見逃していることになります。あるいは、鏡だとうすうす気付いていて、それを見せつけられるのが嫌さに目をつぶっていることもあるかも知れません。
でも見たくもないその姿こそ、色々と欠点や弱点を持っている、自分の中身そのものなのです。子供の姿を自分の鏡だと認めて、心を改めて親子共々幸せになる道を開いていきたいものです。