今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成11年版26日

 悔やんでいては反省できない
 勇気をもって自分を直視しよう

 失敗をして「悔やまない」ということは、尋常の神経でできることではないかも知れません。物を壊すような単純な失敗はともかく、人の心を傷つけるようなこと言ったり、大事な仕事をぶちこわすようなことをしてしまったときは、平気でいられるものではなく「頭を抱えてしまう」というのが普通の反応かも知れません。

 しかし、これではこまるのです。これでは周りも自分も、もっと困ったことになっていってしまうだけです。

 お客様との取り引きで、ミスや失敗はあってはならないことですが、もしミスがあったときには、これは自分を磨く得がたい機会を恵まれたと思うようにしていると、ある営業マンが体験を話してくれま


した。

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 お客様には日頃から色々お世話になっていますが、それでも営業を通してふれあえるのは相手の一部分のことだけです。
 お互いの信頼関係は、仕事をきっちりやってくれるとか、支払いが確実だということから出発して、互いに相手の仕事が分かり、いつ、どんな時に、何をすればよいかを把握できるようになって、よりしっかり結ばれます。しかし、それでも相手の人間性が分かるところまでまではいきません。もっと確かな関係を結びたいと望んでいました。

 ある時ちょっとしたミスをして、修復に努めていました。初めは苦情やお叱りを受けましたが、ミスのため相手が困っておられることが分かり一生懸命尽くしました。そのうちに好意的に対応して頂いることに気が付いて、相手の人柄に触れた気がして有り難く思いました。あの時ミスを悔やんでいたら、


言い訳をしたい気持ちが拭えなくて、一生懸命やっても信頼を損ねていたかも知れません。

 ミスや失敗をはっきり認め、それを引き起こすに至った自分の心を直視する意味を初めて知りました。それ以来、お客様や周りの人との関係が充実してきました。

 これで分かったことは、失敗をごまかしたり悔やんだりしても何にもならないということです。でも、失敗を認めるのは勇気のいることですね。




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