今月の言葉 > 「標語解説書」から > 平成11年版27日

 今の立場に喜びが持てた時
 一歩 成長した自分となっている

 「自分には才能がない。学歴がない。容姿が整っていない。権限を与えてくれれば、もう少しうまくできるのに…。なぜ私だけこんな辛いことばかりやらなければならないのか」私たちは、他人から認められないことが続くと、どうしても考え方が消極的になり、愚痴が多くなります。そして、ついには自分がおかれている立場に嫌気がさして、向上心わ無くしてしまうのです。

 しかし、思うように物事が運ばない、自分が望むように認めてもらえないのは、本当にその人の立場がもたらすものなのでしょうか。

 その原因となるのは、立場のせいにしている心にあるのではないでしょうか。つまり、自分の立場として果たすべき役割が、自分が思っているほどでき


ていないのではないでしょうか。自分で思い描いている姿と、現実の自分の姿に開きがあるから、自分の現在おかれている立場を不満に思うのです。

 自分の理想に一歩でも近づこうとするなら、現在おかれている自分の立場を、肯定的にとらえることが必要です。「今の立場に喜びを持つ」ということは、不遇をかこっていると感じている人にとっては「さらなる向上心を持つ」ということですし、現状に満足している人にとっては「周りの支持や助力に感謝を忘れない」ということです。

 立場は、自分が決めてその通りになるのなら誰も苦労はしません。広い世の中において、現状の自分が落ち着くべくして落ち着いているのが今の立場と考えるのが自然なのではないでしょうか。そしていま落ち着いている所にも、自分の足りないことや、身につけなければならないことがあるはずです。

 それに気付くには、素直な気持ちで現状を受け入


れることで、そういう心になれたとき、自分にとって一番必要な課題に前向きに取り組むという、成長の第一歩を踏み出していくことができるのです。
「そんな役回り」とか「大変な遠回り」とか「無駄な努力」と思う前に、「今の立場は、現状の自分に一番ふさわしい境遇」という、前向きで謙虚な気持ちを、ぜひ持ちたいと思います。




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