今月の言葉 > 自然誌 文章から > 平成15年 3月号 

引っ越し
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 引っ越しは大変です。

 ふだんから整理しているつもりでも押入やタンス等の奥にしまってある物はなかなか見ることはありません。

 引っ越しを機会に色々しまってある物を見ると、その時必要に思えたのに結局使わずに残っていたり、壊れているような物でも思い出があって捨てられなかったり、見切りを付けられなかった物がいつの間にかたまっています。

 引っ越しはそんな優柔不断を断ち切って、こうした物に見切りをつける機会かも知れません。

 その時、自分は何を基準に取捨選択しているのか


。夫婦であっても、何を残し何を捨てるか、その基準はずいぶん違います。

 また、物に執着して捨てきれずにいたり、面倒に思えて、何も考えずに肝心な物まで捨てて後で悔やんだり、引っ越しは物の必要性を見極めると同時に、自分の優柔不断に決着を付ける機会でもあります。

 捨てたからには執着せず、取っておくならそれを生かすことを考える。単純な道理ですが、その実行は単純でも簡単でもないというのが実感です。




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