今月の言葉 > 自然誌 巻頭文から > 令和06年10月号

人間本来の使命に立ち返る時
   教主 橋本のり子
   


 今年の夏は地震や台風などの災害の懸念から備蓄用に水や食料品などが一斉に買い求められました。特にお米が足りなくなり、スーパーでも品切れが相次ぎました。これから秋を迎えて新米が市場に出れば、落ち着くとの見通しですが、この米不足の現象を通して、私たちは考えなければならないことがあります。
 確かに災害備蓄用に必要な量のお米を買い求めることは必要ですが、今の状況は多くの人が必要以上に買い求めていることで起きているように思われて非常に残念なことです。
 人間は万象との繋(つな)がりの中にあって、自分以外の他のはたらきによって生かされて生きてお


り、一方で自らの持てる能力を他のために尽くし生かしていくのが本来の生き方なのですが、自分のことを何より先に考えたり、自分だけは損をしたくないという考えで生きる人が多くなっているために、対立や争い、また今回のような混乱が起きているのです。
 今こそ私たちは、他のために生きていくという人間本来の使命に立ち返り、情報に惑わされず、今の自分にとって必要かどうかを立ち止まって考えてから行動する人になってほしいと願います。
 そして、世の中の一人でも多くの人がこの使命に目覚めていくことを祈っていきましょう。




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