今月の言葉 > 自然誌 巻頭文から > 令和04年09月号

当たり前と思う事に感謝を
   教主 橋本のり子
   


 水道の蛇口をひねれば、きれいな水が流れ出ます。水がなければ生きていけない私たちですが、この事は当たり前なので、ありがたいと感じる人はあまりいないのではないでしょうか。
 これが水不足や何かの事故で断水となって、それが解決した時に水が出るようになって、水の恵みのありがたさを実感して、当たり前に頂けていることについて感謝の思いが足りなかったことに気付きます。
 水の恵みだけでなく、地水火風の恵みを始め世の中にあるあらゆる恵み、また世の中のあらゆる人々の働きによって私たちは生活していますが、文明の発達によって不便に感じることが少なくなり、それ


を実感する機会も少なくなったので、感謝する気持ちよりも、何か少しでも不足したり不便を感じた時、すぐに不足や不満の思いだけになるという非常に傲慢な状態になっています。
 思う通りにならない事への不足や不満の思いが、天候の不安定さを生み、人に向ければ対立を生み、それが発展すれば、政情の不安や国同士の対立や争いの元になるのです。
 まず私たちは、改めて今当たり前と思っている事の中にある恵みにしっかりと気付いて、感謝する気持ちになっていくことから始めましょう。




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