今月の言葉 > 自然誌 巻頭文から > 令和03年05月号

苦痛なきところに向上なし
   教主 橋本のり子
   


 私たちがこの現象界に命を頂いて生まれてきた目的は、肉体を使って暮らす中で人生に於(お)いて様々な体験をし、自分は何を喜び何を嫌がり何を恐れるかというその時々の自身の心のありようをそのままに知っていくことで、人間の本体である霊魂を浄(きよ)め、より高き方向に向上させていくためです。
 そのためには、特に自分にとって苦痛と思えることや困難な体験が必要となります。自分の思い通りになる事や何の苦労も感じない事からは、人間は自分の生き方を振り返って反省し、見つめ直したり生き方を改めたり、努力していこうとする気持ちにはなれません。苦痛なきところに霊魂の向上はないの


です。
 現象界で生きている目的である霊魂の向上という観点からすれば、苦痛や困難は例外なくありがたい恵みなのです。
 現在、新型コロナウイルスが蔓延(まんえん)して、今までとは違う生活となって一年以上続いています。皆それぞれに肉体的に精神的に経済的に、何かの面で苦痛や不安を抱えている方が多いと思います。 この苦痛や困難は単なる不幸ではなく、人間として現象界で生きる目的である霊魂の向上に必要な体験であると知って、そこから自分の心のありようを確かに見つめ、今自分にできる努力を尽くしていくことに心を向けて、日々を乗り越えていきましょう。




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