今月の言葉 > 自然誌 巻頭文から > 令和03年04月号

「かげひで持つ」
   教主 橋本のり子
   


 神訓に「世の中は一切のものをかげひで持つ」と教えられています。この世の中のすべては「はたらきかける」という能(のう)動(どう)(陽(ひ))と「うける」はたらき受(じゅ)動(どう)(陰(かげ))が別々にはたらくものでなく、かげとひが一つになって成り立っているということで、商取引の場合、買い手の「買う」というはたらきかけを受けて売り手の「売る」というはたらきが一つになって成り立つのです。
 人間の生存活動においては、本質的には男性は「はたらきかける」という能動(陽)であり、女性は「うける」受動(陰)であり、世の中の多くは夫婦が人間の単位となって成り立っています。


 夫と妻で一つのはたらきなのですから、どちらが重要な役割を果たしているかとか、価値があるかという優劣はないのです。
 また男性が男性としてのはたらきに優(すぐ)れているからといっても、それを女性のはたらきと比較するのは見当違いであり、女性にはどんな男性も絶対に及ばないはたらきを持っており、そこを比較しても仕方なく、体の仕組みやはたらきが異なる男女をすべて同じようにすることの方に無理が生じてくるのです。
 男性は女性のはたらきを尊重し、これに感謝し、同様に女性も男性のはたらきに対し、尊敬と感謝の念をもっておれば、互いの思いやりの心でこの世の中は成り立っていくのです。




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