今月の言葉 > 自然誌 巻頭文から > 令和02年10月号

親孝行とは
   教主 橋本のり子
   


 昔から「親孝行したい時には親は無し、さりとて墓に布団は着せられようか」という言葉があります。親孝行は、親が生きている間はなかなかできないことが多いけれども、親の死後に墓石に布団を掛けても意味がないというように、親が生きてるうちに孝行しなければ親孝行にならないというのが定説です。
 けれどもそれは違います。親孝行とは何かと一言で言えば、親に喜んで安心してもらうことなのです。それは親が生きていなくても生前と変わりなく、親に喜んでもらえる安心してもらえる生き方を貫いていけば親孝行はできるのです。
 もしも怠けそうになったり、誤魔化(ごまか)しそうになったり、やるべきことをやらずに済まそうと心が揺れた時には、今もし親がここに生きて現れ


ても恥じない生き方を自分は今しているか、と自らに問うて、正しい生き方を選ぶことが親孝行なのです。
 このように親に喜んでもらえる、安心してもらえる生き方は必ず親の霊魂に伝わり、やがて親の霊魂が浄(きよ)まり高まっていけば、それが子孫の幸せにつながっていくのです。
 親孝行は親が死んだら終わりではなく、生前に親孝行が十分にできなかったと後悔することなく、親孝行は永遠なのだという気持ちを持って、日々生きていかれることを願います。




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