今月の言葉 > 自然誌 巻頭文から > 令和02年02月号

物事を決定する力
   教主 橋本のり子
   


 この現象界に於(お)いて、人間とその他の動物との違いは、人間だけが意志決定する力を持っていると言うことです。
 動物は本能に従って、現状の自然環境のままに生きるだけですが、人間は新たな物を発明したり、動物や農作物の味や形を都合の良いものに変えようという意志を持って努力していけば、時間をかけても品種改良していくことができます。
 また、この物事を決定する力は気象の変化にさえ影響を与え、その地域の人々の思いが変化の力となります。
 この意志決定の力は神が現象界を経理していくために、人間という器(うつわ)を通して行われているのであり、私たち一人ひとりが物事を意志決定できるように「個」の意識を与えられているのです。


 意志決定できるとは、自分で決める自由があると言うことですから、この世の中を良い方向にも悪い方向にも変えていく自由があり、残念ながら多くの人はその意識がないために自分の欲望のままに生きて、公害などの環境問題や国同士の対立と混乱という状況が現在も生み出されています。
 今こそ、私たち一人ひとりは人間の人間たる尊いはたらきと使命を自覚して、この世の中をより良き方向に変えていく意志を持って生きていくことを願います。




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