今月の言葉 > 自然誌 巻頭文から > 平成30年02月号

食べ物を粗末にしない
   教主 橋本のり子
   


 食糧難の戦中や戦後間もない時代を経験した私や同世代の人は食べ物の有り難さが身に沁(し)みていますが、生活が豊かになり、いつの間にか食べ物を粗末にすることに平気ではないのですが、慣れてきています。
 またその後の世代の人たちは食べ物があるのが当たり前で、食べたい物を食べて、食べたくない物は残すことをしても、食べ物を粗末にしている意識すらないことになっていると思います。
 国土の狭い我が国で餓死する人がほとんどなく、多くの人が暮らしておれるのは、食糧のほとんどを輸入に頼っているからです。もし万が一食料の輸入が絶たれる状況になったら、食べ物を粗末にすることに慣れている今の人たちは、たちまちの内に国の存亡の危機につながることになりかねません。


 食べ物は命の元であり、食べ物を粗末にするということは自分で自分の命を粗末にするということなのです。命を粗末にするというのは神様よりそれぞれに恵まれた寿命を全うしないで、亡くなっていくことであり、大変に申し訳ないことなのです。
 そこで一回一回の食事を大切にして、神の恵みを頂きますという思いを持っていただきたいと思います。毎回のこの意識が食べ物を粗末にする慣れからの脱却につながっていくのです。




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