今月の言葉 > 自然誌 巻頭文から > 平成29年05月号

少しの変化が
   教主 橋本のり子
   


 以前にある相撲部屋の親方とお会いする機会がありました。その時部屋の力士が足の親指の先を怪我されていたのを知っていたので「骨折とか腰痛のような大した怪我でなくて良かったですね」と話すと、親方は「あれは力士として命取りにつながる大変なことなのです。日頃は意識しないで足を動かしますが、足の指の先が痛いと、無意識に親指をカバーして動かします。それによって体全体のバランスが崩れ、結局それは全て腰でカバーする。そこから腰を痛めることになると、力士として大成できなくなります。だから私は足の親指の先でも、すごく深刻な問題だと思っているのです」と話されていたことがとても印象的でした。
 自然社では「萬象(ばんしよう)は一体である」と説いており、世の中は個々に存在し、バラバラに


動いているように見えていますが、実際は全てが根元なる神の生命活動の現れであり、それぞれが密接に関係し合い、根元と繋(つな)がっていますから、少しの変化がやがて大きな変化に影響していくのが世の中の理法です。
 今年は「変われる流れにある年」と教えられています。自分が変えたいと思っても変えられない事について、何か一つほんの些(さ)細(さい)な事でも結構ですから、変える努力をしていったならば、生き方全体が必ず変わっていきますので、まず始めていきましょう。




〒545-0043 大阪市阿倍野区松虫通1丁目2-27
サイトマップ
Copyright ©shizensha All Rights Reserved. 無断転載禁止