今月の言葉 > 自然誌 巻頭文から > 平成28年04月号

細やかに心を寄せる
   教主 橋本のり子
   


 今年の三月十一日で、東日本大震災から五年が経(た)ちました。あの時の巨大地震、大津波により約二万人の死者、行方不明者が生じたことは大変いたましい出来事でした。
 私は、震災から一周年の追悼式での天皇陛下のお言葉が非常に印象に残っております。
 そこでは、被災された方々を始め防災活動で命を落とされた方への追悼、原発事故により故郷を離れておられる方々へのねぎらい、諸外国からのお見舞いへの感謝。そしてこの大震災の記憶を忘れることなく、子孫に伝え、防災に対する心掛けを育み、安全な国土を目指して進んでいく大切さが述べられていました。
 私は陛下のお言葉から、あらゆる方々に対して大変細やかにお心を寄せておられることを知り、その


慈愛は大変深く、大変有り難く感じました。そして、細やかに心を寄せていくことで、より深い気付きが得られ、そこには限りがないのだと知りました。
 この度の震災に限らず、私たちは自分で分かっていると思っていることでも、実はその奥にはまだまだ気付いていないことがたくさんあります。まずは決めつけを捨てて、あらゆる事に対して細やかに心を寄せて、知っていこうという気持ちを持って努力していきましょう。




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