今月の言葉 > 自然誌 巻頭文から > 平成27年10月号

既に頂いている
   教主  橋本のり子
   

 私たちは周囲に対して何かの奉仕をすることがあります。その奉仕は労力によって相手の為に尽くす場合もありますが、金銭や何かの物を提供することによる奉仕もあります。
この奉仕を行う場合、労力であろうと金銭物質であろうと、その行った奉仕に対して何等かの代償や返礼を当てにするような気持ちになったり、周囲の賞賛を期待するような思いがあるとしたならば、それは奉仕ではなく取引と同じことになるのです。
 代償や返礼、賞賛などを期待しないとしても、周囲に対して恩恵を与えるという気持ち、言い換えると世話をしてやるのだ、寄付をしてやるのだというような、気付かない内に偉そうな気持ちになる人もあるのではないでしょうか。
しかし本来奉仕とは特別なことではなく、自分


が普段世の中から受けている様々な恩恵に対する報恩感謝の気持ちを表す行為であるのです。代償、賞賛を頂けるどころか、自分が既に頂いている数々の恵みに対する返礼の行為であるのです。
 自分が受け取るものは、すでに頂いているのです。その恩恵に対する返礼として奉仕するのであるということなのです。ですから奉仕は特別なことではありません。喜んで、積極的に奉仕をしていく豊かな心を育てていきましょう。




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