祈るときの心構え
教主 橋本のり子
私たちは何か「これは是非とも成功させたい」とか「この件はどうしても私の願いを完成させたい」と強く念願することがあるとき、尽くすべき努力は一生懸命に尽くすとして、信仰者である場合はその成就を真剣に神に祈るのではないでしょうか。
このときに私たちがまず心掛けなければならないことは、どのような心で祈るか、ということです。
私たち人間は孤立して生きているのではなく、この世の中全体の一体活動の部分として、全体を成り立たせる「はたらき」を生きているのです。ですから周囲の人に対して、否、人だけでなく一切万物に対して、常にそれが成り立つように幸せになるようにと愛の心と善意を持って、自らの願いを祈ることが大切です。
私たちが祈っている心の奥底に自分の利益や名誉、あるいは自らの身の保全ばかり考え、周囲に対する思いやりや配慮に欠けているとしたならば、その祈りは成就しないばかりか、却(かえ)って自分を恵まれない境遇に導くことになります。
そして、祈りは一旦これと決めたら結果は一切神にお任せして、毎日毎日倦(う)まず弛(たゆ)まず終始一貫、命掛けで神にぶつかっていくような祈りの心を続け「これは何時(いつ)か必ずお聞き届けいただける」という確固たる信念を持って祈り続けていくことが大切です。