恵まれていることに気付こう
教主 橋本のり子
最近あるお年寄りが病気で入院して治療を受けられ、無事回復して退院なさいました。「治って良かったですね」と申し上げると「お陰様で助かりました。しかし治療費に五万円も掛かったのですよ」といささか不満そうに言われました。
確かに年金生活で五万円の支出は大変ですが、この方は後期高齢者で治療費は一割負担ですから、本当の治療費は五十万円で、差額の四十五万円は国家が、皆さんが負担してくださったのです。
これは大変有り難い事ではないでしょうか。もしこれを当たり前と思っていたとしたならば、申し訳ないことだと思います。
このような国家社会や周囲から受けている恩恵を当たり前と思わずに感謝する思いになって、老齢者でも何かの形で社会に恩返しをしようという気持ち