今月の言葉 > 自然誌 巻頭文から > 平成24年02月号

○元を忘れず行う
   教主 橋本のり子
   

 私たち一人ひとりは世の中という大きな生命体の一部として生かされ生きているのです。自分で「人間になろう」と意志決定して人間になったのではなく、気付いたら人間であったのです。
 ですから人間は、自分という個にとらわれないで世の中全体のために「はたらき」を尽くしていくのが本来の在り方なのです。
 具体的には、政治家は国民の幸せのために政治を行い、経済人は経済活動を通じて人々に利便を与える等、それぞれその立場に応じて世の中のために自己の持てる力を発揮していくのが本来の在るべき姿です。ところが周囲に対する貢献などは考えず、自分の利益ばかり追求する人が多いのが現実の姿ではないでしょうか。
 現在、政治や経済、その他あらゆる分野で混乱や行き詰まりが頻発しています。これはそれぞれの世


界で改善すべき問題点が色々とあるのでしょうが、その根本の原因は、各自がそれぞれの立場で世の中全体のために自己の持てる力を発揮するという、人間としての本来の在るべき姿を忘れて、自分あるいは自分の属する一部の集団の利益や立場ばかりにとらわれているところにあるのです。
 私たちはここで、大きな生命体の一部として生かされ生きているという人間存在の根本をはっきりと知って、自分にとらわれず周囲の他のために持てる力を発揮するという、元を忘れず行動することを目指して生きたいものです。




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